スカイマークのミニスカート制服批判に反対

スカイマーク。
話題になってますね。
これまでB737という単通路の小型機のみを運航してきたのに、A330そしてA380という大型機の導入。
(以前はB767という中型機を運航していたこともありますが、機材統一のためその後B737のみになったという経緯があります)
そして、A330導入にあわせてキャンペーン的に採用されるミニスカートの制服。
俺、スカイマークけっこー好きなんですよね。
日本の空にLCCブームが起こる前から、JAL、ANAという大手と闘ってきた奮闘ぶり。
スターフライヤー、エアドゥ、スカイネットアジア、アイベックスエアラインズといった第三勢力が軒並み経営再建、または経営強化のためANAの手におちていくなか、スカイマークは逆に大手と距離を置いて独自路線を強めてきました。
今でこそジェットスタージャパンやピーチといったLCCが話題になり、スカイマークより安い運賃を打ち出していますが、スカイマークこそLCCとしての気概と根性を持っているように思います。
さて、そんなスカイマークについて気になるニュースが。
それは、先述したミニスカート制服について、客室乗務員連絡会という労働組合が反対との見解を出したというニュース。
しかも、見解を出すだけなら自由ですが、この労組は国土交通省と厚生労働省に対し、スカイマークへの指導を要請したというのです。
反対の理由は、同労組の公式ブログにアップされています。
引用させていただきます。
(以下、青字部分、客室乗務員連絡会ブログより引用)

客室乗務員の制服について 見解
2014年2月25日
客室乗務員連絡会
私達客室乗務員連絡会(客乗連)は内航客室乗務員、および外航で働く日本人客室乗務員で構成されており、客室乗務員の安全・雇用・労働条件などについて情報交換や調査活動などを行い、客室乗務員としての専門的地位の向上を目指している組織です。
スカイマーク株式会社は2013年12月の記者会見で、新機種導入に伴い、路線ごとに半年間ずつ計1年半にわたり着用する新制服を発表しました。私たちは、この新制服に関して下記の点で問題があると考えます。
客室乗務員は、国際民間航空条約(ICAO)付属書で緊急時の任務、避難誘導、飛行中の客室の機内秩序、保護、訓練についてその任務が明確にされています。わが国ではICAOに準拠した航空法104条、施行規則214条で客室乗務員の任務を詳細に定めています。その具体的任務は、JIS+2D21救命用具、保安備品の点検、JIS+2D22旅客に対する安全姿勢、緊急脱出への周知、JIS+2D23旅客の手荷物収納の確認、JIS+2D24緊急脱出時の誘導、等とされ、「客室の保安」に責任を負っている職種です。
このため客室乗務員の制服は、安全業務遂行の際の高位置、又は低位置の確認作業、緊急着陸時のスライド滑走、緊急着水時のラフト操作やサバイバルの為の諸作業、火災発生時や急減圧の際の処置、急病人発生時の応急措置、乗客への的確な指示などの保安任務を遂行するにあたって支障を生じさせない事を前提とした制服デザインが求められます。
また、航空法第73条の3で「安全阻害行為」が規定され、その内容は、機内の秩序を乱す行為、性的嫌がらせ等も含まれています。これらの行為を未然に防ぐことも客室乗務員の任務とされていますが、その迷惑行為等を誘発しかねないデザインであるとの危惧を持たざるを得ません。
更に、この制服が「集客につながる」と宣伝すること自体、女性を商品として扱うことであり、「安全第一」を使命(航空法第1条)とする航空会社としての見識を疑わざるを得ません。
以上の観点から、スカイマーク社に対し、再検討を求めるものです。

(引用、以上)
さて、長い文章ですが、要約すると
「保安要員としての業務に支障がある」
「女性を商品として扱うことになる」
との2点から、この労組はスカイマークのミニスカート制服に反対をしているようです。
さて、ここで注意しなくてはいけないのは、この客室乗務員連絡会はスカイマークの労働組合ではない、ということ。
約1000人の組合員がいるそうですが、メンバーは日系航空会社(内航)、外資系航空会社(外航)の日本人客室乗務員であり、その中にスカイマークの客室乗務員は入っていないそうなのです。
客室乗務員連絡会ブログには、さらに以下のようなQ&Aが続いています。
(以下、青字部分、客室乗務員連絡会ブログより引用)

昨日、発表した「制服に関する見解」について、いくつかご質問がありましたので、お答えします。
Q 声明を出した経緯は?
A 昨年12月、SKY社がA330型機就航に伴うキャンペーン用の新制服を発表しましたが、これについていくつかの職場のCAから、「これはひどい」「これ程の短いスカート丈で業務をした場合、高い位置に手を伸ばしたり、かがんだりするような業務の際にどうなるか、SKYは考えていないのか?」「盗撮など、常にまわりの目を気にしながらでは業務に支障が出る」などの抗議の声が寄せられ、客乗連絡会としても保安業務遂行の観点から「見解」を出したという経緯です。
Q 当のSKYの社員は何と言っているのか?
A 各社のCAの友人つながりで聞いた話では、「着用するCAは限られているが、もう少しスカート丈が長ければ安心して業務ができると思う」(CA)、「こんなやり方で集客しようとする航空会社で働いているのが恥ずかしい」(整備)などの声がありました。 他社を含めたCAの感想では、安全阻害行為(セクハラ、パワハラ等)を心配する声が多く、スカート丈が短すぎる事について多くのCAが危惧を持っています。
Q 昔、JALでもミニスカ制服時代があったのでは?
A その頃でもCAの業務のやりにくさが問題になり、会社が制服と同色の、スカートの下につける衣類を配布したいきさつがあります。
Q  SKY社に望む事は?
A 職場のCAの声をよく聞いて、安心して業務に専念できるよう、スカート丈を見直してほしいという事です。 SKY社に対する要望を出しては?との意見も出されていますが、まずは社内でCAの立場に立って再検討して頂きたいですね

(引用、以上)
この記載からも、スカイマークの客室乗務員がメンバーにいないことがわかります。
CAの友人つながりで話を聞いているのですから。
当事者不在で、国に対してスカイマークへの指導を要請する、という行為はどうでしょうか?
俺は、反対です。
客室乗務員は、確かに保安要員としての役割が大きい。
そこで、同組合が客室乗務員の業務が正当に遂行されない可能性を危惧し、見解を出すのは自由だと思います。
しかし、なぜそれをスカイマーク社に対して「こういう危険性がありますよ」と注意喚起するのではなく、いきなり国土交通省と厚生労働省に指導要請するのでしょうか。
「まずは社内でCAの立場に立って再検討していただきたいですね」と言っていますが、それならば、まずはスカイマークに直接声を届けるべきではないでしょうか。
少なくとも、スカイマークのCAたちの見解を確認すべきです。
友人つながりで数名の意見を聞くだけではなく。
スカイマークの客室乗務員たちが「この制服でも保安要員として問題なく業務を遂行できる」と思っているなら、それは問題ないはずです。
もし問題があるなら、それこそ国土交通省航空局の定期監査で指摘が入るでしょう。
航空局は、航空会社に対してそりゃーーーもーーー厳しい保安監査を実施しています。
日本に就航している外資系航空会社も対象になっていますが、日系航空会社は特に厳しく見られています。
(そのぶん外資系は、本社がある本国で厳しい監査を受けています。各国の航空局が、その国の航空会社を監督する責任を有する、というのが原則)
さらに言えば、制服が保安要員としての業務を妨げるというなら、どの会社もデザイン重視をやめてパンツスタイルでポロシャツにでもすべきです。
(その点、キャンペーン時以外のスカイマークの制服はポロシャツであり、大手航空会社よりよほど動きやすく見えます)
では、女性を商品として扱うことになる、という見解はどうなのか。
全くもってごもっとも。
ごもっともですが。
客室乗務員の制服が男女で違うのはなぜですか?
女性客室乗務員の新人トレーニングにメイクアップ講習が入っているのはなぜですか?
それは、女性は女性としてより魅力的に、男性は男性としてより魅力的に見せようという戦略に他なりません。
それが正しいかどうかはとりあえず置いておきますが、その事実には反対せずスカイマークのミニスカート制服に対してのみ「女性の商品化」と叫ぶのは偏っているように思えます。
最初に書いたように、スカイマークは気概と根性を持った航空会社です。
俺は、この会社の客室乗務員なら「おもしろい!ミニスカート制服で世間を驚かせてやろう!」と、企画サイドと一体になっておもしろがっているかもなーと予想しています。
もちろん、全員が全員そうではないでしょうが。
とにかく、当人たち不在のままに進められた客室乗務員連絡会の行動に、俺は反対です。

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