当事者だからこそ不安。渋谷区のパートナーシップ証明書

東京都渋谷区が同性カップルを結婚に準じた関係だと証明するパートナーシップ証明書。

たびたびニュースにもなり賛否両論あるようですが、今月28日から申請受付、来月5日から交付が開始されるそうです。
俺自身同性パートナーを持つ者なので、これはうれしいニュースです。
が。
同時にこの制度に不安も覚えます。
全ての同性パートナーたちが適正にこの制度を利用するだろうか、と。
同性カップルにもいろんな人たちがいるので一概には言えませんが、俺の周りに限定して話せば、男性同士のカップルは、付き合うまでも早いし、別れるのも早い。
長く付き合って人生のパートナーとなっている人たちもいますが、数ヶ月単位の恋愛を繰り返している人、またはパートナーをつくらず遊び歩いている人のほうが多いです。俺の周りでは、ね。
熱しやすく冷めやすいんです。
恋愛が始まる時の熱量は高い。
だから、不安。
知り合って1週間、お互い顔と体がタイプでかっと熱くなって付き合い始め、お互いこれ以上理想的な(外見の)人はいないと燃え上がって勢いに乗ってパートナーシップ証明書を申請。結局数ヶ月後に破綻。証明書の破棄を申請。
そんな流れが少なからず出てくるのでは、ってね。
今回のパートナーシップ制度、申請するにあたっては二本の公正証書が必要だそうです。
任意後見契約に系る公正証書と合意契約に系る公正証書。
これが数万円の費用がかかるため「異性間の結婚は無料でできるのに、同性間のパートナーシップにだけ費用がかかるのは不平等」という批判もあるようですが、これぐらいの条件はあって然るべきだと俺は思います。
むしろ、もっと高いハードルがあってもいいかも、とすら思います。
例えば、日本より多様性を重視しているオーストラリア。(今は、ね。かつては白豪主義の時代もあったけど)
学生時代にシドニーで少し生活して、オーストラリアでは同性カップルであってもディファクトビザという事実婚ビザが認められることに驚きました。
同性カップルがともにオーストラリアで生活するパートナーとして認められているわけです。
しかし、このビザを申請した人たちはみんな書類や証明が大変だった、と言います。
なぜなら、1年以上同棲していることが基本条件だから。
2人の共同名義の銀行口座や、そこから家賃を払っている証明などを求められるそうで。
さらには付き合い始めてから現在までの手紙やメールのやりとりを全てプリントして提出したり、一緒にいたことがわかるフェイスブックの過去の投稿を全てプリントして提出した、という人の話も聞きました。
ちなみにディファクトビザは、同性カップルだけではなく結婚はしていない事実婚の男女カップルも申請できます。
振り返って渋谷区のパートナーシップ証明書は、数万円で公正証書を用意できれば、付き合い始めて数週間でも、極端な話付き合っていなくてももらえてしまうと思われます。
申請してすぐに破棄、というパターンが増えて「やはり同性カップルはパートナーとは呼べない」「同性カップルには責任感がない」「同性パートナーシップは不要」というような世論が形成されるのではないか、というのが俺の不安です。
それによって、本当にお互いが人生のパートナーとなっている同性カップルたちまで非難にさらされたり、不利益を被るのではないか、と。
それでも、賛成か反対かと聞かれれば俺は今回のパートナーシップ証明書には賛成です。
一つは、はっきりわかりやすいかたちで、同性愛者の権利というものを議論のテーブルに載せてくれたから。
一つは、本当にそれを待ち望んでいた同性パートナーたちがいるから。
そしてもう一つ。
パートナーシップというものができることで、同性カップルの意識や付き合い方に変化が生まれる可能性があるから。
さっき俺の周りでは短周期で恋愛を繰り返している友人が多いと書きましたが、もしかするとそれは、男女のように結婚、出産、子育てといったステップがないから、というのも一因なのかもしれません。
つまり、将来を意識してパートナーとの付き合いを考える、という機会が、男女カップルに比べるとはるかに少ないわけです。
しかし、パートナーシップというものが、将来を考えるきっかけになるのでは、とも期待できます。
同性愛者が同性愛者の将来をつぶすことのないよう、せっかくのこのパートナーシップ制度、大切に使っていきましょう。

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