台湾についてちょいと気になるニュースがありました。
それは、「元台湾総統の蒋介石・蒋経国の遺体埋葬をめぐって、遺族と台湾政府が対立している」というニュースです。
遺族は中国大陸での埋葬を希望し、政府は台湾内部での埋葬を希望している、とのこと。
俺が読んだニュースによると、台湾政府が台湾での埋葬を希望しているのは、「脱中国化を狙っているから」とのことです。
俺的には、遺族の希望通りに中国大陸に埋葬しちゃっていいと思うんですけどねぇ。
だって、蒋介石/経国親子って、台湾総統を務めたとはいえ台湾人じゃなくて中国人じゃないですか?
もともと台湾に住んでいた台湾人(本省人)じゃなくて、戦後に中国共産党に敗れて仕方なく台湾に敗走してきた国民党(外省人)の代表だった人でしょ?
しかも、もともとの台湾人をかなり弾圧したんでしょ?
例えば、「台湾大虐殺」とも呼ばれる二・二八事件(日本の二・二六事件ではないので注意)とか。
まぁ、蒋経国は亡くなる前に「私も台湾人だ」と発言したらしいですけどね。
この問題って、要するに、戦後に台湾に移住してきた外省人を台湾人と見なすかどうかってところがポイントだと思います。
極論しちゃうと、「外省人=国民党=中華民国」ですね。
戦後、日本の植民地から脱した台湾に外省人達がもってきた国民党が旗揚げした(とゆーか、中国大陸から移した)のが中華民国ですから。
外省人を台湾人と見なさないとすると、中華民国は台湾とイコールではないということになり、大陸の中華人民共和国も中華民国も「中国」ってことになりますね。
そして今の台湾は、一時的に中華民国という「中国」に支配され、さらには中華人民共和国というもう一つの「中国」にも脅かされている、ということになります。
そう考えると、台湾総統というよりは中華民国総統であった蒋親子の遺体は、中国大陸に埋葬しちゃったほうがいいような気がします。
そっちのほうが、「脱中国」の象徴になるんじゃないですか?
たぶん、蒋親子本人もそう望んでいたでしょうしねぇ。
何しろ、「一時的に台湾に移るが、いつかは大陸を取り返す!(大陸反攻)」って考えていた人たちですから。
たぶん、台湾独立急進派であり親日派でもある蔡焜燦さんや金美齢さんは蒋親子の大陸埋葬に賛成なのではないでしょうか。(あくまで俺の推測ですが)
何しろ、金美齢さんはかつて、国策顧問として政府で働きながら「私は中華民国を認めない」と発言したツワモノですからねぇ。
もちろんその発言に対しては「中華民国の国策顧問が中華民国を認めないというのならば、辞任しろ」と反論されたらしいのですが、さすがツワモノ、「私は陳水扁総統の国策顧問であって、中華民国の国策顧問ではない」と答えたそうです。
俺の台湾に対する考えも、基本的に「独立賛成!」なので、こういった金さんの言動には「カッコいいな~」と敬服しますね。
日本にもそれぐらい強いポリシーを持った政治家がいればいいのに・・・・・。
ただ、ではそういう台湾独立急進派の考えが台湾世論の代表かというと、そうとも言えないので難しいんですよね。
台湾人口の10~15パーセントを占める外省人が反対なのはもちろんのこと、どうやら俺と同じような若い世代の本省人(台湾人)も、「外省人は中国人」という意見に賛成ではないようです。
これは台湾人と中国人の知人からそれぞれ聞いた話なのですが、最近は、「中国共産党に屈しないためには台湾内部での団結が重要」という考え方のもと、外省人も台湾人と見なす考えが強いようなんですね。
「本省人/外省人」という区別自体、否定されつつあるようです。
そうすると、外省人として台湾を統治した蒋親子も当然台湾人であり、台湾内部に埋葬するべき、ということになります。
台湾政府が台湾内部での埋葬を希望しているということは、今の陳水扁総統はそっちのほうの考えに賛成、ということでしょうか?
あぁ、けど確かに外省人と接していてもそれほど中国人感はないもんなぁ。
あぁーーー混乱してきたーーー。
哈台族(台湾大好き人)を自称する身としては、台湾に長く身を置いて、台湾に住んでいる人たちが本当は何を望んでいるのか直接肌で感じ取りたいなぁ。
※弁解:誤解されそうですが、俺は外省人を台湾人と認めていないわけではありません。かつての、本省人を虐殺した外省人は認めていませんが、今の世代は、本省人も外省人も原住民も台湾人だと思っています。