ユナイテッド航空に関するニュース。
報道によると、ユナイテッド航空が客室乗務員の成田ベースを閉鎖するため、そこを拠点としている約360人のうち約270人が離職する可能性があります。
数ヶ月前から10月をもって成田ベースが閉鎖されるということは報じられていましたね。
ユナイテッドはアメリカ以外に成田、香港、フランクフルト、ロンドンにベースがありますが、ロンドンのみを残して他3つが閉鎖だそうです。
さらに、COVID-19による経営悪化により全社で約16000人の従業員を一時帰休(Furlough)することも発表しています。
Furlough(ファーロー)は日本ではあまり馴染みのない単語ですが、一時帰休と訳される通り完全な解雇ではなく、無給にはなりますがいつか状況が改善すれば会社が呼び戻すことが想定されています。
状況が良くならなければ呼び戻されないこともありますが、その場合は改めて解雇通告(Termination Notice)がされます。
そう考えると16000人をFurloughするといってもその社員全員を完全に会社から切り離すわけではないわけですが、、、今回の成田ベース閉鎖によって飛べなくなる客室乗務員、特にアメリカの国籍や永住権のない日本人客室乗務員の見通しはなかなか厳しそうです。
俺はグアムに住んでいるのでこれまで頻繁にグアムと日本間のユナイテッドのフライトを利用してきましたが、成田ベースの客室乗務員とグアムベースの客室乗務員が混乗しているのを目にしてきました。
あ、B777運航のフライトの場合ですね。
B737のフライトはたぶんグアムベースの客室乗務員のみです。
B777にはあきらかに日本人でもグアム島民でもないアメリカ人客室乗務員も乗っていましたが、彼らが成田ベースなのか本国ベースなのかはわかりません。
もしかしたら本国ベースの客室乗務員も混乗しているのかも。
今後もグアムベースは維持されます。
しかし、それでもグアムに住んでいるユナイテッドの客室乗務員は「フライトが全然ない」と言っていますし、「グアムベースも閉鎖されてしまったらどうしよう」という不安の声を聞きます。
たぶん、グアム以外の本国ベースも似たような状況かと。
そう考えると、アメリカの航空会社として、アメリカ人客室乗務員の雇用すら危うい状況では、まず外国人の雇用から切られてしまうのは仕方ないのかもしれません。
立場を逆にして考えると、例えばJALが香港ベースの客室乗務員(JALも香港にベースを持っています)を維持しつつ、国内の日本人客室乗務員を大量解雇する、となったら反発が起こると思います。
JALは日本人の税金を使って破綻から復活した航空会社なので特にそういう目で見られると思いますが、ユナイテッドも過去にアメリカでChapter 11を申請して復活していますし、今回のCOVID-19に際してアメリカ政府から多額の支援が投入されています。
やはりアメリカ人が最優先になるのは仕方がない。。。
成田ベースがなんのためにあるかといえば、日本語が話せる客室乗務員を確保するためであり、それはつまり日本人乗客のためです。
しかしユナイテッドにはANAというスターアライアンスパートナーがおり、太平洋路線ではコードシェア(共同運航)をこえたジョイントベンチャー(共同事業)を展開しています。
つまり、ユナイテッドの日本人向けサービスが低下して多少日本人乗客が離れても、ANAのほうでそこを拾えればいいわけですよね。
グアムは今のところANAの飛行機は飛んでおらずユナイテッドのみでの運航ですが、リゾート路線であることや4時間弱の短距離路線考えると、成田ベースの日本人がいなくてもなんとかなる、、、のかもしれません。
実際、B737のみで運航されている関西、中部、福岡発のグアム便にはグアムベースの客室乗務員しか乗っていないわけですし。(グアムベースの日本人客室乗務員はいます)
日本人の俺にとってはもちろん成田ベースの客室乗務員がいてくれたほうがサービスがいいと感じるし、安心します。
しかし、、、やはり現実は厳しそう。
ユナイテッドでは労使交渉が決裂して今は調停を申し立てているということですが、どうなるでしょうか。
続報が気になります。