ホテルと航空会社、接客の違い

昔からの友人知人は知っていると思いますが、大学時代、ホテルのフロントで2年間ぐらいアルバイトをしていました。
当時はなんだかバイト命な日々。
バイトをがんばっていたというよりは、ホテルのフロントが楽しくてハマっていた、というほうが正確かな。
社員さんたちとの人間関係も含めて。
今でも何人かのスタッフさんとは連絡取らせてもらっています。ありがたや。

その後、大学を卒業してからは別のホテルに社員として就職したものの、入社後4か月で退職。
その後航空会社に再就職し、グランドスタッフとして6年ちょっと勤めたところで、1年間やりたいことをやると決めて仕事を辞め(→ブログ「仕事辞めました。」)、現在に至っています。

ここでちょっと、ホテルと航空会社における接客の在り方の違いを比べてみようかなぁと思います。
あくまで俺の経験、俺の観察を通じた比較であること、ご了承ください。
深く掘り下げて考察するつもりはないので、まぁそんなこともあるかもね、ぐらいに軽くさらっと読んでください。

1.ホテルでの接客は「目の前のお客様」が最優先。航空会社での接客は「全てのお客様」が最優先

ホテルにおいては、まず目の前にいるお客様に満足いただけるような接客を心がけるよう指導されました。
航空会社においては、サービスの均一性を重視していました。
極端に言えば「ホテルでは目の前のお客様にできることは何でもやるべき。航空会社では、全てのお客様に同じサービスが提供できないなら、それはやるべきではない」

2.ホテルの現場は男社会。航空会社の現場は女社会

これは、あくまで接客の現場(つまり、経営や営業などの部署でなく、ホテルで言えば宿泊部門、航空会社では旅客部門限定)の話ですが、ホテルは男社会、航空会社は女社会だと感じました。
単純にホテルの宿泊部は男性スタッフが多く、航空会社の旅客部は女性が多いというのもありますが、ホテルは女性スタッフも男らしく、航空会社は男性スタッフでも女性的な要素を持ち合わせている人が多かったですよ。

喫煙者の数、飲み会の数はホテルのほうが圧倒的に多かった。それを男性的というと差別かもしれませんが。

3.ホテルの教育は精神論。航空会社の教育は現実論

ホテルに社員として入社した時は、座禅を組みにお寺に行ったり、ビール工場見学に行ったりおもしろい教育を受けました。
教育はホテルマンとしてのメンタリティを作るためのもの、あるいは視野を広げるためのものが多かったように思います。
実際の仕事の技術や流れは全てOJTを通じて現場で教わった、と言っても過言ではないと思います。
俺が新卒だったからというのもありますが、では中途入社の社員が現実的な教育を受けていたかというと、やはりOJTで仕事を学んでいました。

対して航空会社の教育は現実に必要なものが多いです。
俺が受けたトレーニングを思い出すと「チェックイン端末の操作教育」「安全管理教育(Safety Management)」「危機管理教育(Crisis Management)」「保安教育(Security Management)」「飛行機のドア操作トレーニング」などなど、現実的な教育ばかり。他にもいろいろありましたが、省略します。
航空会社について考える時に事故やテロというリスクは切り離せず、安全性が最優先されるので、とにかく教育というものが徹底していました。
俺が一般職員から責任者に昇進した時、「あなたの役職において最低限受けておくべき教育はこれだけあります」と本社に10個以上のコースをリストアップされた時は正直、めまいがしましたねw

ホテルの教育は「いつか役に立つかもしれないもの」も大いに含まれますが、航空会社の教育は「今、必要なもの」がほとんどです。

4.旅行会社はホテルの現場スタッフには強気、航空会社の現場スタッフには気遣い

はい、そのままです。
ホテルでも航空会社でも旅行会社の方と接すること多かったのですが、そんな印象を受けました。

5.身だしなみはホテルのほうが徹底

ホテルも航空会社も制服がありますが、ホテルのほうがより整然かつ完璧に着こなすことを要求されました。
例えば、ホテルでも航空会社でもたまたま俺は制服のジャケットの下に私物のワイシャツを着ることがあったのですが、ホテルでは例えジャケットで見えなくても、絶対長袖のワイシャツを着なくてはいけませんでした。
航空会社では半袖でもOKでした。
あと、夏服、冬服の衣替えもホテルは全スタッフ一斉でしたが、航空会社はスタッフによってバラバラ。
いや、身だしなみに厳しい航空会社は一斉に衣替えするのですが、スタッフによってジャケットを着たり脱いだり、ベストを着たり、とバリエーションが許されていました。
ホテルではよほどの場合以外、接客の場でジャケットを脱ぐことはありませんでした。

あと、身だしなみではなく接客態度の話ですが、お客様の前で他のスタッフを呼ぶ際、ホテルでは必ず「苗字プラスさん」で呼び合うよう指導されました。
「山田さん」など。
航空会社では下の名前プラスさん(例:太郎さん)でも、くん付けでも問題なかった。
お客様の目の前で「~ちゃん」と他のスタッフに呼びかけている若者を見た時はさすがに驚きましたが。
俺がおじさんだからか?

以上、俺個人の目を通してみたホテルと航空会社の接客現場の違いでした。
また何か思いついたら書いてみます。

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